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82歳女性S.Aさん

1.ご職業は何ですか?

呉服屋、ガレージ業委託収入

2.心筋梗塞の発症日、既往歴はいつですか?

1年前に狭心症発症、61歳時に骨折で3週間入院したほか入院歴なし

3.喫煙歴は?

吸ったことはない。

4.心筋梗塞の発作はいつ、何をしているときにおこりましたか?

思い起こせば5年位前?に狭心症でしょうか、胸が痛くなり、静かにして帰りましたら治ります。それが時々あったように思われ、坂道、石段、重荷を持つ、長道を歩く、そのときには胸がばくばくすることが有りましたが気のせいと思っておりました。平成18年1月5日期外収縮が起こりました。その後は700m位歩くときに2分位胸が痛くなるようになり、1月15日薬師寺のお手伝いのあと、左腕、左胸、左脊が鉄のようにバンバンになりました。診療所を受診し、そこから京大の堀内先生に紹介されました。京大の近くのもりした循環器クリニックで冠動脈CT検査をうけたところ冠動脈が3本共に石灰化しておりました。3月 28日入院し、心臓カテーテル治療をしていただきました。細かいところがまだあるので必ず心臓が痛くなるから、すぐに病院に来るようにと聞かせていただきながら退院させていただきました。

担当医からのコメント

労作時の再現性のある胸部症状が狭心症であることがしばしばです。痛みの性状や強さには個人差がありますので、たとえ軽い症状でも危険信号であることがあります。突然、急性心筋梗塞を発症することもしばしばありますが、徐々に強くなる狭心症は、急性心筋梗塞発症の前兆であることが多く、治療のチャンスであります。また、最近では、カテーテルをしなくても、CTで冠動脈の状況を診ることが可能になってきています。

5.その発作は具体的にはどのようなものでしたか?

平成18年の夏は猛暑で、暑い空気が気管に入りますと胸が苦しくなることが有り、辛かったです。案の定8/5日、胸が痛くなり、ニトロダームで何とか、7日堀内先生に診察して頂きまして、少し早い様だがもう一度入院治療をすることに決めていただき、早速手続きをして頂きました。具体的には何も無いように思いましたが精神的にはすごくストレス一杯で入院させていただくまでは何も無いようにと念ずる気持ちで一杯でした。発作はやはり精神的な事が大きいように私には感じられました。

6.急性心筋梗塞を発症される前になにか予兆のようなものはありましたか?

8/24 に再入院させていただくように手続きは済ませておりましたが8/20PM10時左胸が痛くなり冷や汗がでました。ニトロダームを貼り静かにしておりました。テレビは見てられるか、何分位続くか、じっと様子を見ておりましたところ20分くらいで治りました。心細いので従妹に泊まりに来て頂き、翌日不安が一杯で京大の主治医の堀内先生を受診し、21日緊急入院させていただきまして即カテーテル治療をして頂きました。後々トラウマは大変でございました。

担当医からのコメント

増悪する狭心症状は大変危険です。

7.病院を受診し、どのような検査をうけましたか?検査について医師からどのような説明をうけましたか?

肺のレントゲン、血液検査、心電図、エコー等を受けました。ステントを入れるようになると思います。

8.病院ではどのような治療をうけましたか?治療について医師からどのような説明をうけましたか?

心臓カテーテル治療のフルコースを受けました。説明書を詳しく聞かせていただきました。治療のビデオを取らせてくださいとの申出を快諾致しました。バイパス治療が出来ないのでステントでやりましょうと仰言って下さいました。

9.病院に入院中に、あるいは退院後に一番大変だったことはなんですか?それをどうやって解決してゆかれましたか?

生命を助けていただきましたこと、深く感謝致しております。不安で薄氷を踏む思いの毎日ですが皆々様のお力を頂戴して何とか毎日を送っております。食事を作ることが大変ですが、一食だけ配食をして頂く様になりこれも何とか。週一回ヘルパーさんに来て頂けるようになりこれもありがたい事と感謝しております。神佛にお預けしてある生命ですから精進するしか仕方がないと、自分ではどうすることも出来ないことが多々あり、甘んじて受けるしか仕方が無いように思われます。

10.病院に入院して、あるいは退院後に、なにかよかったと思えることがありましたか?

朝7時には目が覚めるようになりました。2回の入院治療で左脊裏がいつもうづいて居りましたのが忘れるくらいすっかり良くなりました。両足の筋がつる事が多かったのですが、それが今はあまり起こらなくなったように思われます。生、老、病、死、あとの3つは自分ではどうすることも出来ませんが生きていく事如何に難しいことか、自分が本当に必要なのでしょうか?

11.心筋梗塞の病気を経験されて、生き方や人生観について変化がありましたか?

このせいでも有ると思うのですが、物欲が無くなり、生きていく意欲もなくなりましたが、生かせて頂いているという事がヒシヒシと思い知ることができました。自分では何も出来ないものだ、という事も何でも有りがたいという事も、自分をあまり追い込まないでいこうと思うようになりました。

12.実際に心筋梗塞を発症されるまでに、ご自身が心筋梗塞を起こすかもしれないと思っていましたか?

真逆自分がと思いもよりませんでした。血圧が高いので脳梗塞は有るかと、又C型肝炎が悪くなるとかは思っておりました。びっくり仰天でございました。

13.食事や運動について、発症前とあとで変化がありましたか?現在食事や運動についてなにか工夫されていますか?

普通食でヨガは週1回でしたが、今は減塩食で体力は元通りには戻っておりませんが何とか歩くようにはと心がけております。心リハも2月末で修了致しましたので何とか自分で教えていただいた通りにする様に心がけて居ります。

14.社会に対して、患者様に対して、あるいは医師に対してなにかメッセージがありましたらお答え下さい。また、入院中あるいは現在うけられている医療について不足にお感じになる点や、なにか「こうしたほうが良い」とお考えになる点がありましたらお教えください。

今まで入院させていただいた事が有りませんので分かりませんが、先生は偉い方という観念がありましたが、この節、先生はとても優しく、色々なことを詳しく納得の行くまで説明してくださいます。有り難い事と感激いたして居ります。看護師さんもとても優しく、親切でとても行き届いてありがたかったです。私自身は一人暮らしでございますので家に帰りたくなくて、いつまでも病院に置いていただけたらと病院大好きでございました。有難うございました。

担当医からのコメント

今はすっかり元気なられて、活動されております。心筋梗塞の原因は動脈硬化症がベースにあります。これ以上、動脈硬化が進まないよう生活に注意して下さい。 SAさんには当てはまるものも、当てはまらないものもありますが、心筋梗塞再発予防に関する一般な注意として、ストレスを避け、喫煙せず、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病をコントロールし、抗血小板療法を続けるというものがあります。


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