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静脈血栓塞栓症グループの活動
当研究室の概要
肺塞栓症（PE）および深部静脈血栓症（DVT）は、「エコノミークラス症候群」として一般にも広く知られていますが、近年では「静脈血栓塞栓症」として、循環器・血栓性疾患の中で重要な疾病となってきております。欧米では、虚血性心疾患、脳血管障害に次ぐ第3番目に多い心血管疾患として重要視されておりますが、近年、日本でも静脈血栓塞栓症と診断され治療される症例が増加し、注目されております。これまで、日本では同領域でのエビデンスは乏しく、我々のグループでは、同疾病および関連領域での大規模な臨床研究を主導し、日本国内だけでなく世界に向けた情報発信を目指しております。京都大学循環器内科臨床研究グループとしての大学院生、国内留学の先生、海外からの留学生を含めて当グループでは広く研究者の受け入れをしております。同疾病を中心とした大規模臨床研究に興味のある方をお待ちしております。
活動内容
京都大学医学部附属病院での静脈血栓塞栓症の診療を臨床チームとして行っております。また、院内の静脈血栓塞栓症の予防・周術期対応などに関する整備を医療安全部とともに院内事業の一環として実施しております。そして、静脈血栓塞栓症は、がん患者に発症する事が多く、京都大学医学部附属病院のがん診療部の先生と協力して診療を行っており、また周産期症例、凝固異常症例などの特殊な血栓症に対する対応も行っております。さらに、肺循環グループの一員として、肺高血圧グループと共同で慢性血栓塞栓性肺高血圧症（CTEPH）に対するバルーン肺動脈形成術（BPA）も実施しております。臨床研究では、単施設研究からメタアナリシスまでの幅広い研究を行っておりますが、当グループは明日からの日常臨床やガイドラインを大きく変える様な大規模なランダム化比較試験にも積極的に取り組んでいます。若手医師・大学院生・留学生の先生には、当グループが主導する大規模臨床研究をOn the job trainingで経験頂き、臨床研究の基本から実践までを習得頂いております。海外を含めた外部研究グループおよび基礎研究グループの先生方とも共同研究も行っております。
当グループが主導する多施設臨床研究
・COMMAND VTE Registry-1（ワルファリン時代の静脈血栓塞栓症の多施設共同観察研究）
・COMMAND VTE Registry-2（DOAC時代の静脈血栓塞栓症の多施設共同観察研究）
・ONCO DVT Study（がん合併の下腿限局型のDVTに対する大規模ランダム化比較試験：腫瘍循環器領域）
・ONCO PE Trial（がん合併の軽症のPEに対する大規模ランダム化比較試験：腫瘍循環器領域）
・ビッグデータベースを用いた研究
所属者
- 山下 侑吾（特定助教）
- 金田 和久（大学院生）
- 西川 隆介（大学院生）
- Xiong Wei（留学生：Shanghai Jiaotong University School of Medicine）
- 外部協力員：池田 真也（iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門吉田研究室）
- 事務補佐員（研究業務補助）：大道 琴子、田中 希
