臨床教授紹介
臨床教授とは
医学教育における重要な課題として臨床実習の充実があります。単なる見学ではなく「クリニカル・クラークシップ」を導入する必要が示されています。「クリニカル・クラークシップ」とは,医学生が病棟に所属し,医療チームの一員として,実際に患者の診療に携わる臨床実習の形態のことです。基礎的な知識を身につけた学生が医療現場で臨床に参加し,診断・治療を行うことで,医師として不可欠なさまざまな素養を実地に身につけていくことが期待されます。「クリニカル・クラークシップ」実施にあたっては,指導医の確保と教育,臨床実習時間の拡大,臨床実習における選択制の導入,診断学実習の充実と臨床実習前の評価法の確立などが早急に解決すべき問題とされてきました。
この中で指導医の確保のために導入されたのが「臨床教授」制度です。文科省の21世紀医学・医療懇談会の第1次報告(平成8年)の教育部会報告の中で、「医療人の育成を図る上で、臨床実習を含む臨床教育の充実を図ることは極めて重要である。そのために新たに臨床教授制度を設け、大学の教官とともに、大学以外の医療機関等の優れた人材が医療現場での豊かな経験を踏まえ、医療人材育成に参加、協力できる方策を立てることが強く望まれる」と書かれています。
具体的には、第一線の臨床病院で活躍中の先生方に医学生の臨床実習をお願いしています。京都大学循環器内科に関連の深い先生方のなかでも、学生教育を託すに相応しい見識と実績をもつ方に「臨床教授」をお願いしています。 平素の病院業務だけでも多忙を極める先生方に、「臨床教授」として学生教育の仕事までお願いすることは申し訳ないのですが、どの先生方も快く引き受けてくださいました。
それでは京都大学循環器内科の「臨床教授」を御紹介させていただきます。
臨床教授
| 神原 啓文 | 静岡県立総合病院 院長 地方独立法人静岡県立病院機構 理事長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和41 | ||
| 一言 | 京都から1時間半、患者さんも多く、充実した診療が可能です。昨年、全国的にもトップクラスの循環器病センターが完成しました。総合診療科を始め教育熱心な医師が多く、現在26名の初期研修医が研修しております。 学生実習も歓迎しており、旅費・宿泊費の心配もありませんのでご連絡下さい。 | ||
| 延吉 正清 | 社会保険小倉記念病院 院長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和41 | ||
| 一言 | |||
| 廣瀬 邦彦 | 大津赤十字病院 院長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和43 | ||
| 一言 | 患者さんと共に歩みながら、我々と一緒に循環器疾患の勉強をしませんか。 皆さん方の若々しい情熱を大いに期待しています。 | ||
| 盛岡 茂文 | 神戸市立中央市民病院 地域医療センター長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和43 | ||
| 一言 | |||
| 井上 寛治 | PTMC研究所 所長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和45 | ||
| 一言 | バルーンカテーテルを用いた僧帽弁狭窄症の治療PTMC(Percutaneous Transvenous Mitral Commissurotomy)、日本語名:経静脈的僧帽弁交連裂開術を京大病院及び島原病院で、又大動脈瘤のステントグラフト治療の臨床応用を京大病院で施行しています。何れも自身が開発に携わっています。新しい治療法の開発の参考になると思います。 | ||
| 高橋 正明 | 浜松労災病院 副院長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和47 | ||
| 一言 | 心エコー図は心電図とともに心臓疾患のプライマリケアに必須の検査です。臨床の現場でいかに役立っているのかを体験して下さい。 | ||
| 光藤 和明 | 倉敷中央病院 副院長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和49 | ||
| 一言 | 市中病院での実地地域医療には第一線の専門医療に加えて全人医療の実践とは何かなど多くの学ぶべきことがあります。 | ||
| 後藤 葉一 | 国立循環器病センター 心臓血管内科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和51 | ||
| 一言 | 国立循環器病センターでは循環器疾患に関する幅広くかつ先進的な診療・研究・教育を実施しています。規定によりレジデント受け入れは卒後3年目以降ですが、循環器内科医をめざす諸君にはぜひ一度見学をお勧めします。 | ||
| 土井 修 | 静岡県立総合病院 循環器内科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和51 | ||
| 一言 | 医師の永遠の課題は如何にエビデンスと論理に裏付けられた経験を演繹的に組み合わせて作業仮説をたてながら正解=患者の状態の改善に辿り着くかということです。当院は日々の徹底的な議論を通じてこのような力量を養うことができる場でありたいと思っています。更に具体的な場=器は平成20年8月に循環器病センター棟が完成しました。真の患者のための医療を実践したいと考えている諸君は大歓迎です。気軽に小生にご相談ください。 メールアドレス:doi007@titan.ocn.ne.jp | ||
| 野々木 宏 | 国立循環器病センター 心臓血管内科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和51 | ||
| 一言 | 国立循環器病センターは、循環器の全ての領域、すなわち全年齢層(胎児から高齢者)の内科,外科で心血管から脳血管、末梢血管、肺循環の高度医療の提供、移植医療や再生医療、また予防部門やトランスレーショナルリサーチとして、臨床応用を目指した世界をリードする研究所から構成されています。学生研修から後期研修またスタッフとして京都大学から優秀な人材を歓迎します。 | ||
| 武曾 恵理 | 田附興風会医学研究所北野病院 研究所副所長・腎臓内科部長 |
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| 出身大学 | 京都府立医科大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和51 | ||
| 一言 | 腎臓学は近年ますます心腎連関が問題となり対象患者さんの幅が大きく広がっています。当院腎臓内科では、軽微タンパク尿対策から腎再生まですべての病態への臨床・研究のアプローチをしています。明日を担う男女医療人の自己実現を目指していますので、ぜひ参加してください。 http://www.kitano-hp.or.jp/section/jinzo/index.html | ||
| 野原 隆司 | 財団法人田附興風会医学研究所 北野病院副院長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和52 | ||
| 一言 | 北野病院は総合診療センターを含むバランスが取れた総合病院です。その中で心臓センターは循環器内科と心臓外科が共同して診療に当たっています。侵襲治療、アブレーション、そして救急から心臓リハビリテーションまでこなします。臨床病院であると同時に研究施設でもあり、教育にも熱心です。 | ||
| 鷹津 良樹 | 兵庫県立尼崎病院 循環器科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和53 | ||
| 一言 | 県尼には沢山の優秀な医師を育んだ伝統があります。たとえ研修制度が変わろうと、その貴重な伝統を守り続けたいと祈念しております。 | ||
| 田中 昌 | 大阪赤十字病院 心臓血管センター長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和54 | ||
| 一言 | 大阪日赤は大阪市中心部に位置する全23科、1000床規模の都市型高機能集約型急性期総合病院です。循環器科は一般病棟の他に、救急病棟、CCUを保有し、急性冠症候群や急性心不全などの急性期治療に力を入れています。併せて、不整脈グループは頻脈性不整脈のアブレーション治療やICD植え込みを精力的に行っています。循環器治療の醍醐味は、急性期にダイナミックに変動する患者の病態を的確に判断し治療していくことにあり、これらに興味のある若者の参加を歓迎します。 | ||
| 宮崎 俊一 | 近畿大学医学部循環器内科学教室 教授 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和54 | ||
| 一言 | 昭和54年京大卒業です。平成18年から近畿大学医学部の循環器内科を担当しています。近畿大学医学部は南大阪の大阪狭山市にあって北部和歌山を含む広い範囲から患者さんがやってきます。当科では冠動脈疾患や動脈疾患へのカテーテル治療およびイメージング(内視鏡、OCTなど)、各種不整脈へのアブレーションやICD、ペースメーカー治療、心不全の薬物および非薬物治療(CRT)、心機能や動脈硬化に関する動物実験、など幅広い領域においてスキルアップができます。特に若い先生には理想的な職場となってきましたので、当科への就職に興味のある方は是非御連絡下さい。 | ||
| 木原 康樹 | 広島大学大学院 医歯薬学総合研究科展開医科学専攻 病態情報医科学講座循環器内科学 教授 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和54 | ||
| 一言 | 広島大学病院循環器内科は平成20年春に誕生した新しい教室です。広島市は中四国地区の中枢政令都市であり、当教室もそれに相応しい循環器疾患基幹施設となるべく努力を行っております。自ら歴史を作りたい人材が集まってくれることを希望しています。 ホームページhttp://home.hiroshima-u.ac.jp/cardio/を参照ください。 | ||
| 池口 滋 | 滋賀県立成人病センター 循環器内科 主任部長 |
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| 出身大学 | 鳥取大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和55 | ||
| 一言 | 冠動脈疾患のインターベンション治療と不整脈のアブレーションおよびデバイス治療を2本の柱とし、24時間対応の循環器救急から心臓リハビリテーションにいたるまで、総合的な循環器診療を行っています。医学部学生の見学・実習から、シニアレジデントさらには循環器内科医師の研修まで積極的にうけいれています。循環器診療のさまざまな分野を学んでいただけると考えます。 | ||
| 青山 武 | 市立島田市民病院 循環器内科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和56 | ||
| 一言 | |||
| 松田 光雄 | 市立岸和田市民病院 循環器科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和56 | ||
| 一言 | 岸和田市民病院は地域の中核病院として高度医療と救急医療を2本柱にして活動しています。意欲、情熱のある学生諸君の来院を期待しています。 | ||
| 三木 真司 | 三菱京都病院 心臓内科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和59 | ||
| 一言 | |||
| 中川 義久 | 天理よろづ相談所病院 循環器内科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和61 | ||
| 一言 | 天理よろづ相談所病院は奈良県の天理市に位置する病院で、医学教育で全国に先駆けてレジデント制を導入したことで有名です。循環器疾患はもとより、全科にわたる教育プログラムが充実しています。循環器診療の中でも、虚血性心疾患、不整脈、心エコー、心不全への総合的な治療、二次予防、心臓リハビリテーション、末梢血管疾患、大動脈疾患など総合的に高度医療を推進しています。学生諸君にとっては、一度訪問してみる価値のある病院と自負しています。 | ||
| 佐藤 幸人 | 兵庫県立尼崎病院 | ![]() |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和62 | ||
| 一言 | 内科ジェネラルと循環器専門性の両立を目指している。医療は患者の立場に立って考えるのは当然であるが、後輩育成、チームワークについても学んで欲しい。 | ||
| 田村 崇 | 日本赤十字社 和歌山医療センター 循環器内科部部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 昭和63 | ||
| 一言 | 和歌山医療センターは県立医大と双璧をなす基幹病院であり、救急医療の最後の砦として、すべての患者を断らないをモットーに活動しており、大学病院とは異なる実践的な臨床医療・あらゆる循環器疾患を経験でき、また心臓外科を始め各科と連携を密
にとり、先進的医療をおこなっています。和歌山は京都から電車で約1時間半の距離にあり、気候は温暖・風光明媚で歴史的遺産も数多く温泉もあります。やる気のある皆さんの参加を歓迎します。 連絡先メールアドレス tamuratakashi@nifty.com | ||
| 山崎 博 | Director, Interventional Cardiology fellowship program at St John Hospital | ![]() |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 平成1 | ||
| 一言 | 私は京大医学部卒後すぐアメリカに渡り、内科インターンから始めて、循環器のフェロー、インターベンションのフェローのトレーニングを受け、今はデトロイト郊外で循環器の開業医をしています。アメリカの開業医の仕組みは日本と少し違い、病院とは独立した自分のオフィスで自分の患者を外来診察し、病状が悪化して入院が必要になると、契約している病院に送り、退院するまで必要な検査や治療を自らおこないます。私はインターベンション医でもありますので、カテーテル検査やインターベンションも病院でおこないます。私は今デトロイトのサントジョン病院の循環器科インターベンション部長をしています。アメリカの医療に興味がある方はお知らせください。 | ||
| 古川 裕 | 神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 平成1 | ||
| 一言 | 神戸市立医療センター中央市民病院は神戸市の急性期医療を担う基幹病院であり、循環器内科含め、各診療科が第一線かつ先進の医療を行なっています。
歴史ある初期・後期研修医制度のもと、全国いろいろな大学から優秀な若手医師が集まり、お互い刺激し合って活躍中です。 当診療科での研修や実習・見学に興味がある方は当院ホームページ(http://www.kcgh.gr.jp/)をご覧ください(循環器内科は、http://www.kcgh.gr.jp/department/d01/gen/)。私のメールアドレスも掲載されていますので、遠慮なくご連絡ください。 | ||
| 稲田 司 | 大阪赤十字病院 循環器科 部長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 平成1 | ||
| 一言 | 当院は大都市中心部に位置する1000床規模を誇る急性期総合病院です。循環器科・不整脈科・心臓血管外科が一体となり心臓血管センターを構成しております。心電図・レントゲン・血液検査・心臓カテーテル・心エコー・運動負荷心電図・心筋シンチ・心臓MRI・CTなどの診断技術を駆使しチーム医療を実践しております。これらの診断技術にも親しみながら、ベッドサイドでの患者診察を通し実臨床の実体験をしていただきます。一方で、当院には救命救急センターも併設されており、循環器スタッフが常駐し急性期疾患の受け入れを行っています。急性心筋梗塞・急性心不全・急性大動脈解離・重症不整脈などの大部分は救命救急センター経由で入院し急性期の治療に当たります。大学とはまた一味違う臨床現場を体験できる環境にあると思いますので、熱意のある学生諸君の参加を歓迎します。興味のある方は小生までご連絡下さい(itsuka@osaka-med.jrc.or.jp)。 | ||
臨床准教授
| 赤尾 昌治 | 国立病院機構京都医療センター 循環器科 科長 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 平成3 | ||
| 一言 | 当院は、伏見区を中心とした京都南部の地域医療の中核としての役割を担う基幹病院です。京都市内に3カ所ある第三次救急指定病院の一つで、救命救急センターを擁しています。また、臨床研究センターを併設していることや、京都大学との関係が深いこともあり、アカデミックな雰囲気もある病院です。循環器科症例は多岐にわたり、救急症例が多い利点を活かして、24時間体制で診療を行っています。 伏見は、独特の歴史・文化を持つ魅力ある土地で、新たな発見もいろいろあることでしょう。やる気のある前向きな皆さんが、我々のチームに加わってくれることを願っています。 | ||
| 岩永 善高 | 近畿大学医学部 循環器内科 講師 |
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| 出身大学 | 京都大学 | ||
| 大学卒業年度 | 平成3 | ||
| 一言 | 循環器病学は予防から末期医療まで、より幅広く、より高度化しており、循環器内科医は今後更に活躍の場が増すものと考えられます。その中で当近畿大学循環器内科は、病態メカニズムの理解に基づいた医療の実践が教育・研究され、かつ専門性と一般性を両立させるべく日常臨床を行っております。医療とは常に変化するものであり、循環器内科にも今後さらに大きな変革がくるものと考えられます。我々とともに、その変化を乗り越え新しい時代を創っていく、個性ある若い先生の参加を求めております。 | ||
海外の臨床教授より
医師と社会 山崎博
これから医師を目指される京都大学の学生さんに何か書いてほしいとの事でしたので、少し書かせていただきます。京都大学は世界トップレベルの基礎研究という大事な役割を担っておられますので、そのような方向を目指しておられる方にはどうぞさらに頑張ってくださいと申し上げます。しかし皆さんの中には、 臨床を目指しておられる学生さんもきっといらっしゃると思いますので、 今回はそのような方を念頭に書かせていただきます。
私は20年前京都大学医学部卒業後すぐアメリカニューヨーク市のクイーンズにあるブース記念病院に内科インターンとして応募、採用され、その後1992年ペンシルベニア州のフィラデルフィアにあるトマスジェファーソン医科大学付属病院の循環器科フェロー、1995年、ミシガン州デトロイト市にあるサントジョン病院及びアンアーバーにあるミシガン大学付属病院でインターベンションフェローを経た後、1997年、日本に戻り、北九州市にある小倉記念病院で循環器科医長、副部長待遇として働かせていただきました。1999年にアメリカミシガン州に戻り、循環器科医師として開業し、現在に至ります。その間、主要病院としているサントジョン病院の循環器科インターベンション部長およびインターベンションフェローシップ部長の肩書きもいただきました。2007年には京都大学の循環器科臨床准教授の肩書きを拝命いたしました。
私は20年前京都大学医学部卒業後すぐアメリカニューヨーク市のクイーンズにあるブース記念病院に内科インターンとして応募、採用され、その後1992年ペンシルベニア州のフィラデルフィアにあるトマスジェファーソン医科大学付属病院の循環器科フェロー、1995年、ミシガン州デトロイト市にあるサントジョン病院及びアンアーバーにあるミシガン大学付属病院でインターベンションフェローを経た後、1997年、日本に戻り、北九州市にある小倉記念病院で循環器科医長、副部長待遇として働かせていただきました。1999年にアメリカミシガン州に戻り、循環器科医師として開業し、現在に至ります。その間、主要病院としているサントジョン病院の循環器科インターベンション部長およびインターベンションフェローシップ部長の肩書きもいただきました。2007年には京都大学の循環器科臨床准教授の肩書きを拝命いたしました。
私の日常の医療などについては、地元デトロイトのジャパンユースクラブというローカルな新聞に月刊で連載記事を掲載させていただいています。以下のアドレスを、クリックしていただければ私のホームページが見ていただけるはずです。
http://web.me.com/hiamasaki/cardiology/1._heart_attacks.html
http://web.me.com/hiamasaki/cardiology/1._heart_attacks.html
さて医師にはいろいろな顔があります。
治療者としての顔、教育者としての顔、健康に関するプロフェッショナルアドバイザーとしての顔、そして研究者としての顔などです。私が外来で患者さんを見る時は主に、健康に関するプロフェッショナルアドバイザーの顔をしています。タバコがやめられない患者さん、運動不足で肥満が悪化している患者さん、薬を飲むのをよく忘れてしまう患者さん、塩辛い食べ物が好きで血圧がなかなか下がらない患者さんに頭ごなしに批判、説教をして状況が本当に改善するでしょうか。私はそんなときには、できるだけ患者さんと目線を同じ高さにして一緒に解決法を考えるようにします。治療法を考える時も同じです。できるだけ公平に薬物治療、外科治療、カテーテル治療などの良い点欠点などを考慮した上で、私が身内だったらこうしますというアドバイスをします。その時点で例えば患者さんがカテーテル治療を選ばれたとすると、今度は私は治療者の顔になり、カテーテル治療術者として世界最高の治療を受けてもらうよう渾身の努力をします。薬剤治療を選ばれたとすると、現時点で最高、最新の知識に基づいた薬剤を服用していただくよう努力します。そのためには、最新の医療情報を常に勉強しておくことが欠かせません。
医者には教育者としての顔もあります。自分より若い同僚や研修医の先生たち、医学生たちに、どうやったら、最新の医療知識を伝え、技術を伝えることが出来るかということは常に考えています。また医学、医療に対する熱情、面白さをどうしたら伝えられるかというのはいつも考えている課題です。また日常生活でもいつも実は教育者としての顔を忘れられないのです。と言いますのは、例えば食堂に行きますと、私を循環器の医者だと知っている人は、(他科の医者を含めて)私が何を注文し、何を食べているかをそれとなく観察しています。日頃減塩食を提唱し、魚、鶏肉、野菜、果物を中心とした食事(地中海式食事と呼ばれています)を提唱している私としては、ピッザやステーキなどをあまり堂々と食べる訳にはいきません。また一日平均40分の運動を週5回以上を提唱している私が何日も運動無しの生活をする訳にはいきません(現実にはなかなか思い通りになりませんが)。社会全体を巻き込んだ禁煙の促進、シートベルトやヘルメットの着用、ワクチンの普及など、教育者社会改革者としての仕事は医者の仕事のうちの大事な部分です。
よく知られていないのが臨床研究者としての医者の顔です。大学や研究機関で基礎医学の研究をする人たちだけが研究者ではありません。臨床家も研究の一翼を担っていることがよくあります。新しい薬剤や医療機器の臨床治験がその良い例です。臨床医の誰もがこのような研究活動に参加している訳ではありません。むしろ臨床医のごく一部と言ってよいでしょう。しかし、このような研究無しには、いくら動物実験で良い結果が得られたお薬や医療機器でも、実際に人間に使ってみて効果があり、かつ安全であるのかどうかはわからないのです。ですから私はもし新しい治療が今までの治療に比べて安全でより効果が高い可能性があると確信できれば、患者さんの同意が得られるよう努力し、治験に積極的に参加していただけるよう努力しています。アメリカで面白いのは、治験で出た結果がすぐ臨床に採用されることです。ですから皆が治験を大事にします。ただ日頃非常に忙しい日常の間を縫って、臨床論文が書けるかと言うとそれは難しいものがあります。ですから、たいていは大学病院などの専門家が中心となった多施設無作為抽出試験に参加するという格好が多くなります。またステントなどの医療機器の認可後の登録追跡調査の研究もあります。この場合は専門の研究看護士さんにデータ収集などの仕事の大部分をお願いしています。
治療者としての顔、教育者としての顔、健康に関するプロフェッショナルアドバイザーとしての顔、そして研究者としての顔などです。私が外来で患者さんを見る時は主に、健康に関するプロフェッショナルアドバイザーの顔をしています。タバコがやめられない患者さん、運動不足で肥満が悪化している患者さん、薬を飲むのをよく忘れてしまう患者さん、塩辛い食べ物が好きで血圧がなかなか下がらない患者さんに頭ごなしに批判、説教をして状況が本当に改善するでしょうか。私はそんなときには、できるだけ患者さんと目線を同じ高さにして一緒に解決法を考えるようにします。治療法を考える時も同じです。できるだけ公平に薬物治療、外科治療、カテーテル治療などの良い点欠点などを考慮した上で、私が身内だったらこうしますというアドバイスをします。その時点で例えば患者さんがカテーテル治療を選ばれたとすると、今度は私は治療者の顔になり、カテーテル治療術者として世界最高の治療を受けてもらうよう渾身の努力をします。薬剤治療を選ばれたとすると、現時点で最高、最新の知識に基づいた薬剤を服用していただくよう努力します。そのためには、最新の医療情報を常に勉強しておくことが欠かせません。
医者には教育者としての顔もあります。自分より若い同僚や研修医の先生たち、医学生たちに、どうやったら、最新の医療知識を伝え、技術を伝えることが出来るかということは常に考えています。また医学、医療に対する熱情、面白さをどうしたら伝えられるかというのはいつも考えている課題です。また日常生活でもいつも実は教育者としての顔を忘れられないのです。と言いますのは、例えば食堂に行きますと、私を循環器の医者だと知っている人は、(他科の医者を含めて)私が何を注文し、何を食べているかをそれとなく観察しています。日頃減塩食を提唱し、魚、鶏肉、野菜、果物を中心とした食事(地中海式食事と呼ばれています)を提唱している私としては、ピッザやステーキなどをあまり堂々と食べる訳にはいきません。また一日平均40分の運動を週5回以上を提唱している私が何日も運動無しの生活をする訳にはいきません(現実にはなかなか思い通りになりませんが)。社会全体を巻き込んだ禁煙の促進、シートベルトやヘルメットの着用、ワクチンの普及など、教育者社会改革者としての仕事は医者の仕事のうちの大事な部分です。
よく知られていないのが臨床研究者としての医者の顔です。大学や研究機関で基礎医学の研究をする人たちだけが研究者ではありません。臨床家も研究の一翼を担っていることがよくあります。新しい薬剤や医療機器の臨床治験がその良い例です。臨床医の誰もがこのような研究活動に参加している訳ではありません。むしろ臨床医のごく一部と言ってよいでしょう。しかし、このような研究無しには、いくら動物実験で良い結果が得られたお薬や医療機器でも、実際に人間に使ってみて効果があり、かつ安全であるのかどうかはわからないのです。ですから私はもし新しい治療が今までの治療に比べて安全でより効果が高い可能性があると確信できれば、患者さんの同意が得られるよう努力し、治験に積極的に参加していただけるよう努力しています。アメリカで面白いのは、治験で出た結果がすぐ臨床に採用されることです。ですから皆が治験を大事にします。ただ日頃非常に忙しい日常の間を縫って、臨床論文が書けるかと言うとそれは難しいものがあります。ですから、たいていは大学病院などの専門家が中心となった多施設無作為抽出試験に参加するという格好が多くなります。またステントなどの医療機器の認可後の登録追跡調査の研究もあります。この場合は専門の研究看護士さんにデータ収集などの仕事の大部分をお願いしています。
日本でも医療改革の論議が盛んな様ですが、行政や病院の声は比較的良く聞こえてきますが、現場の医師からの声は聞こえてこず、医師が主体とならない制度改革はうまくいかないような気がします。大学医学部の入学枠を増やすことで医師不足を解消しようという方策が出されているようですが、医師が安心して重篤患者の世話ができる環境が整わない限り、いくら医学生の数を増やしても、そのような仕事をする良い医師は育たないと思います。福島県大野病院で起きた産婦人科医の逮捕事件を皆さんは覚えておられるでしょうか?このような事件が無くならない限り、社会が医者に対しての見方を変えない限り、良い医者は育ちにくいと思います。最近の医学部卒業生に人気のある科は、 当直が少なくて、責任を問われることの少ない科だと聞いたことがあります。これらの科の重要性を認めない訳ではありませんが、産科や小児科、内科や外科など、医療の要となる科の志望者が激減した上での選択だとすると、医療の将来が危ういと感じるのは私だけではないと思います。つい最近、ある公立大学医学部のある年の卒業生の3分の一が皮膚科に行ったとのうわさ話を聞きました。もしそれが本当だとすると本当に由々しい事態だと思います。医学部の卒後研修で都市の有名大病院に卒業生が集中するのが問題とされていますが、それだけの問題ではないように思えます。
最後に
アメリカでは毎年3月30日がドクターの日と法律で決められています。これは1842年のこの日、ジョージア州のバロウ郡というところで、ロングという名の医者が初めて麻酔を使って患者の治療をしたということを記念して、1933年、同所で記念集会がもたれたのが始まりと言われています。アルモンドという当地の医師の奥さんが"年に一度医師の名誉をたたえる日をもうける"というアイデアに基づいて提唱されたそうです。その後、赤いカーネーションがドクターの日の象徴となりました。1990年、当時のブッシュ大統領(父)が3月30日を全国医師の日(national doctor's day) と名付ける法案に署名し、この日が国民の祝日となりました。この法律によってアメリカではこの日、市民が公に、病に倒れた人を治療し、医療知識を高め、国民の健康を増進している医師に感謝の意を表することが出来ることになりました。。。。こう書くと手前味噌のようですが、医師も人の子、豚もおだてりゃ木に登るとのことわざにある通り、一年に一度でも、ありがとうと言われると、激務を忘れて、また明日から頑張ろうという気になるのは不思議なものです。日本でもアメリカでも、もう少し一生懸命働いている医者が報われる日が来るよう願っています。
(2009年7月26日)
(2009年7月26日)
2009年8月24日から28日まで、京都大学医学部4回生の学生4名が、山崎先生の病院で研修させていただきました。以下は研修を終えての感想文です。
デトロイト病院研修を終えて 京都大学医学部医学科4回生 白田 全弘
1.はじめに
はじめに、今回このような形で海外の病院見学という貴重な体験をさせていただくことができたのは、多くの方のご好意、ご協力があってのことであり、全ての関係者の皆様に感謝を申し上げたいと思います。渡米先でお世話になった山崎先生やご家族の方々、デトロイトでの病院のスタッフの皆様、そして、渡米前に突然お邪魔したにもかかわらず、私たちの為に御腐心下さいました京大病院循環器内科の先生方、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
2.研修の概要
2009年8月24日(月)~8月28日(金)の5日間、Detroitで循環器専門医として活躍されている山崎博先生のもとで、研修させていただきました。詳細は後述しますが、先生はSt. John Hospitalを中心とする複数の病院と、office(診療所)の両方で働いていらっしゃいます。今回の研修でも、病院とofficeの見学が中心となりました。
1)病院見学
St. John Hospital, St. John Macomb Hospital, Beaumont Macomb Medical Centerの3病院を見学させていただきました。先生の仕事内容としては、病棟回診(round)が中心で、時に(と言っても多い時には1日5例も)PCIなどの治療も行う、という感じでした。
病棟回診の流れとしては、担当患者さんのいる病室へ⇒各病室前に置いてあるカルテを確認⇒患者さんを診察⇒最後にカルテに記載*、この繰り返しとなります。まだ4回生である私たちは、日本でも正規の臨床実習さえ受けていないので、当然ながら患者さんの診察はできませんでしたが、先生と患者さんのご好意のお陰で、病室内で診察の様子を見学させていただいたり、時に聴診や動脈触知などもさせていただくことができました。そして、移動中など多忙の合間を縫って、先生は私たちに多くの知識(循環器の分野だけでなく、内科全般の知識)を与えて下さいました。先生の講義はとてもわかりやすく、その知識量の多さにただただ圧倒されると同時に、臨床系の講義で一度は学習したはずの内容が、記憶から失われていくスピードの速さを痛感しました。
PCI見学では、基本的に外のブースで画像を見ながらの勉強となりました(時には実際にカテ室の中に入り、間近で手技を見させていただく機会も設けて下さいました)。ACSが疑われる症例に対するカテーテル検査、バルーン・ステントを用いてのPCI施行術が大部分でしたが、ロータブレータの適用例やIABP施行術などの手技も見ることができました。基本的には、日本(京大病院)で行われている治療法とほぼ同じという印象を受けました。また、スタッフの方々は、英語での私たちの拙い質問にも、イラストを交えながら(時に本物のカテーテルを用いて)丁寧に説明して下さり、理解が深まりました。
この他にも、毎週行われるclinical conferenceや、夕食をいただきながらの勉強会(luncheon seminarのようなもの)にも同席させていただくことができ、貴重な経験となりました。
PCI見学では、基本的に外のブースで画像を見ながらの勉強となりました(時には実際にカテ室の中に入り、間近で手技を見させていただく機会も設けて下さいました)。ACSが疑われる症例に対するカテーテル検査、バルーン・ステントを用いてのPCI施行術が大部分でしたが、ロータブレータの適用例やIABP施行術などの手技も見ることができました。基本的には、日本(京大病院)で行われている治療法とほぼ同じという印象を受けました。また、スタッフの方々は、英語での私たちの拙い質問にも、イラストを交えながら(時に本物のカテーテルを用いて)丁寧に説明して下さり、理解が深まりました。
この他にも、毎週行われるclinical conferenceや、夕食をいただきながらの勉強会(luncheon seminarのようなもの)にも同席させていただくことができ、貴重な経験となりました。
2)office見学
office(診療所)では、外来での診察の様子を見学させていただきました。こちらでは、病院での病棟回診と違って1人ずつの見学で、残りは詰所で待機し、その間は先生に出題していただいたquizの答えを調べたり、持参した教科書などを用いて自習したりしていました。
循環器専門のofficeとは言えど、中には循環器以外の様々な疾患を合併している患者さんもいましたし、その一方で、術後の経過観察目的で来院され、特に問題はないという患者さんもいらっしゃいました。そのような様々な患者さんに対して、先生は一人一人ゆっくりと時間をかけて診察し、患者さんに必ず納得して帰っていただく、という方針を貫いておられました。そのような先生の姿勢を見習い、将来は山崎先生のような医師になりたいと思いました。
循環器専門のofficeとは言えど、中には循環器以外の様々な疾患を合併している患者さんもいましたし、その一方で、術後の経過観察目的で来院され、特に問題はないという患者さんもいらっしゃいました。そのような様々な患者さんに対して、先生は一人一人ゆっくりと時間をかけて診察し、患者さんに必ず納得して帰っていただく、という方針を貫いておられました。そのような先生の姿勢を見習い、将来は山崎先生のような医師になりたいと思いました。
3.アメリカの医療を見て感じたこと
第一に、医療形態が日本と大きく異なっていることに驚きました。アメリカの医療現場では(少なくとも山崎先生が働いていらっしゃるDetroit近郊のRosevilleという地域では)、一人の患者さんを複数の医師・看護師が担当するという基本スタイルをとっています。これについて、少し説明を加えさせていただきます。
山崎先生は、Eastside Cardiovascular Medicine, P.C.という循環器専門のoffice(診療所)を開いていらっしゃいますが、これは個人ではなくグループでの開業です。診療所のメンバーは周辺のいくつかの病院と契約し、診療の上で入院や専門的治療が必要と判断した患者さんを、その内のいずれかに入院させ、以降も自分がその病院に通って回診をするという仕組みです。さらに複雑なのは、一人の患者さんを一人の医師がずっと担当するのではなく、診療所に通う患者さんは診療所のメンバー全体で管理するということです。つまり、それぞれの医師には診療所での診察担当の日、病院での回診担当の日というものが振り分けられており、日に応じてどちらで・どの患者さんを診るかが変わるわけです。この形態は、基本的に病院では勤務医が、診療所では開業医が、それぞれ患者さんを担当する日本の医療システムとは、大いに異なっています。
アメリカの医療のように、一人の患者さんを複数の医師・看護師が診ることで、思い込みやミスによる誤診を防ぐばかりでなく、治療の幅を広げることができると思いました。しかしその分、複数の医師・看護師間での正確な引継ぎが要求されるわけで、その上で重要な役割を果たすカルテの完全電子化が急がれるものと感じました(というのも、手書きのカルテ*には読めない字が多く、先生もたまに解読に苦労することがある、とのお話でした)。
第二に、職場の雰囲気がとても明るく、医療スタッフの方々は皆生き生きとしているという印象を受けました。また、患者さんも非常に主体的で、自分の病気と自分が受ける治療や薬についてとてもよく理解していました。"以心伝心"に重きを置く日本と違い、会話でのコミュニケーションを大切にするお国柄か、医師と患者は、まるで友人同士であるかのように親しげに挨拶を交わし、語り合います。そうすることで、医師は患者の状態をより正確に理解でき、患者は医師を何でも相談ができ信頼の置ける先生として、また、時には話し相手になってくれる良き友人として、相互に有益な関係を築いているように見受けられました。
informed consentが叫ばれるようになって久しい我が国でも、アメリカの医療現場を見習う余地はまだまだあると思いました。
第三に、セミナーやカンファレンスでの意見交換がとても活発であるように感じました。英語力に乏しい私にとって、専門単語の飛び交う討論の場には若干息苦しさを覚えましたが、それでも、ベテランの医師の見解に若手が意見し、それに対してまた別の医師が発言する、といった場面が繰り返され、医師・看護師の方々の熱意を感じることができました。
山崎先生もおっしゃっていましたが、英語にはいわゆる"敬語"という概念が存在しません。そういった言語観も、ベテランと若手、医師と看護師、さらには医師と患者などといった立場の溝を埋めるのに、一役買っているのかも知れないなと思いました。
山崎先生は、Eastside Cardiovascular Medicine, P.C.という循環器専門のoffice(診療所)を開いていらっしゃいますが、これは個人ではなくグループでの開業です。診療所のメンバーは周辺のいくつかの病院と契約し、診療の上で入院や専門的治療が必要と判断した患者さんを、その内のいずれかに入院させ、以降も自分がその病院に通って回診をするという仕組みです。さらに複雑なのは、一人の患者さんを一人の医師がずっと担当するのではなく、診療所に通う患者さんは診療所のメンバー全体で管理するということです。つまり、それぞれの医師には診療所での診察担当の日、病院での回診担当の日というものが振り分けられており、日に応じてどちらで・どの患者さんを診るかが変わるわけです。この形態は、基本的に病院では勤務医が、診療所では開業医が、それぞれ患者さんを担当する日本の医療システムとは、大いに異なっています。
アメリカの医療のように、一人の患者さんを複数の医師・看護師が診ることで、思い込みやミスによる誤診を防ぐばかりでなく、治療の幅を広げることができると思いました。しかしその分、複数の医師・看護師間での正確な引継ぎが要求されるわけで、その上で重要な役割を果たすカルテの完全電子化が急がれるものと感じました(というのも、手書きのカルテ*には読めない字が多く、先生もたまに解読に苦労することがある、とのお話でした)。
第二に、職場の雰囲気がとても明るく、医療スタッフの方々は皆生き生きとしているという印象を受けました。また、患者さんも非常に主体的で、自分の病気と自分が受ける治療や薬についてとてもよく理解していました。"以心伝心"に重きを置く日本と違い、会話でのコミュニケーションを大切にするお国柄か、医師と患者は、まるで友人同士であるかのように親しげに挨拶を交わし、語り合います。そうすることで、医師は患者の状態をより正確に理解でき、患者は医師を何でも相談ができ信頼の置ける先生として、また、時には話し相手になってくれる良き友人として、相互に有益な関係を築いているように見受けられました。
informed consentが叫ばれるようになって久しい我が国でも、アメリカの医療現場を見習う余地はまだまだあると思いました。
第三に、セミナーやカンファレンスでの意見交換がとても活発であるように感じました。英語力に乏しい私にとって、専門単語の飛び交う討論の場には若干息苦しさを覚えましたが、それでも、ベテランの医師の見解に若手が意見し、それに対してまた別の医師が発言する、といった場面が繰り返され、医師・看護師の方々の熱意を感じることができました。
山崎先生もおっしゃっていましたが、英語にはいわゆる"敬語"という概念が存在しません。そういった言語観も、ベテランと若手、医師と看護師、さらには医師と患者などといった立場の溝を埋めるのに、一役買っているのかも知れないなと思いました。
4.終わりに
病院研修やoffice見学の他でも、山崎先生には大変お世話になりました。現地での宿泊地の確保から毎日の送り迎えに至るまで、すべて先生がして下さいましたし、研修前日の日曜日には、丸1日かけて先生に案内していただき、デトロイト観光(Henry Ford Museum, Greenfield Village)を満喫することができました。さらに、ご自宅に二度も招待していただき、食事を御馳走して下さいました。ご家族の方にも良くしていただき、奥様が嗜んでいらっしゃる版画や人形の作品を見せていただいたり、娘さんのフィールドホッケーの試合観戦に連れて行っていただいたりしました。
わずか1週間余りの短い研修でしたが、いろいろなものを見て、学び、感じ、そして考えるきっかけになった素晴らしい体験でした。本当にありがとうございました。
わずか1週間余りの短い研修でしたが、いろいろなものを見て、学び、感じ、そして考えるきっかけになった素晴らしい体験でした。本当にありがとうございました。
デトロイト病院実習 京都大学医学部医学科4回生 武井玲生仁
はじめに
米国の医療事情を学ぶため、2009/8/24~28の5日間、デトロイトでの病院実習に参加させていただきました。元々米国の医療に興味があり、将来の進路を考える上で貴重な体験となることを期待し、今回応募しました。実習では見学が中心となり、St. John Hospital、St. John Macomb Hospital、Beaumont Macomb Medical Center の3病院と、山崎先生のオフィス(複数の医師が共同で開業)を見学させていただきました。
St. John Hospital は地域の基幹病院としての役割を果たしている大きな病院で、患者層も大変に多岐に渡ります。入院患者の受け入れ方法は日本と異なり、まず近くに開業されている医師は病院と契約しており、その医師のオフィスで患者の診療を行った上で入院が必要と判断した場合に、その患者は入院されます。その後はオフィスのスタッフ全体でその患者を受け持ち、回診などを日替わりで行なうようです。
St. John Hospital は地域の基幹病院としての役割を果たしている大きな病院で、患者層も大変に多岐に渡ります。入院患者の受け入れ方法は日本と異なり、まず近くに開業されている医師は病院と契約しており、その医師のオフィスで患者の診療を行った上で入院が必要と判断した場合に、その患者は入院されます。その後はオフィスのスタッフ全体でその患者を受け持ち、回診などを日替わりで行なうようです。
実習内容
1.回診
病院での見学は回診が中心となりました。回診中は病室の外で待機となりましたが、何度か病室内での見学を許され、実際に山崎先生の問診を見学させていただいたり、聴診や触診をさせていただくこともありました。問診の流れは基本的に日本とさほど変わらないように思いましたが、問診内容は麻薬の既往や保険について言及することが多々見られ、日本との相違を感じました。
回診の待機中は、山崎先生からだされた問題を考える時間となりました。問題の内容は、症状から疾患を考える問題、逆に疾患から症状を考える問題、また薬の薬理作用や副作用を考える問題などがあり、その分野は循環器内科にとどまらず、医学全般に渡っておりました。またその問題に関連して、CHADS SCOREやINRなどの検査項目についてや、stent、置換弁、ICD 、ペースメーカー、PAPなどについて詳細に教えていただきました。例えば、胸痛をおこす疾患は何か、という問題に対しては、AP、AMI、大動脈解離、心外膜炎、胸膜炎、食道炎、逆流性食道炎、食道のspasm、気胸、肺塞栓症、肺がん、消化性潰瘍、胃がん、胃炎、膵がん、膵炎、胆嚢炎、などを答えとして挙げられ、十分に答える事ができず、学部の勉強で一度は学んだはずの内容がいかに不確実であったかが浮き彫りとなり、また症状からのアプローチの不慣れさも実感いたしました。
カルテの記入に関しては、手書きでの記入もされていましたが、山崎先生は特にディクテーションによる記入を多用されていたように思います。ディクテーションとは、診療行為や問診の内容などを病院の電話機を通じて録音機に吹き込み、ディクテーションサービスを通して医療秘書の方々(世界中にいらっしゃるそうです)がその内容をタイピングし、そしてその後に確認と署名を行うことをいうそうです。放射線科の画像解読報告も、このシステムを通じて行われているとのことでした。
回診の待機中は、山崎先生からだされた問題を考える時間となりました。問題の内容は、症状から疾患を考える問題、逆に疾患から症状を考える問題、また薬の薬理作用や副作用を考える問題などがあり、その分野は循環器内科にとどまらず、医学全般に渡っておりました。またその問題に関連して、CHADS SCOREやINRなどの検査項目についてや、stent、置換弁、ICD 、ペースメーカー、PAPなどについて詳細に教えていただきました。例えば、胸痛をおこす疾患は何か、という問題に対しては、AP、AMI、大動脈解離、心外膜炎、胸膜炎、食道炎、逆流性食道炎、食道のspasm、気胸、肺塞栓症、肺がん、消化性潰瘍、胃がん、胃炎、膵がん、膵炎、胆嚢炎、などを答えとして挙げられ、十分に答える事ができず、学部の勉強で一度は学んだはずの内容がいかに不確実であったかが浮き彫りとなり、また症状からのアプローチの不慣れさも実感いたしました。
カルテの記入に関しては、手書きでの記入もされていましたが、山崎先生は特にディクテーションによる記入を多用されていたように思います。ディクテーションとは、診療行為や問診の内容などを病院の電話機を通じて録音機に吹き込み、ディクテーションサービスを通して医療秘書の方々(世界中にいらっしゃるそうです)がその内容をタイピングし、そしてその後に確認と署名を行うことをいうそうです。放射線科の画像解読報告も、このシステムを通じて行われているとのことでした。
2.PCI
St. John HospitalではICCを見学させていただく機会もありました。ほとんどの症例が大腿動脈ではなく橈骨動脈からのLHCで、PTCAに移る場合は多くの症例がバルーンかStentで、ローターブレーダーと IABPに関してはそれぞれ1症例だけ見学させていただきました。
PTCAでDES(Drug Eluting Stent) を用いた症例の中には、zotalorimsをコーティングしているDES(商品名:ENDEAVOR)の使用が多く見られました。このDESは米国で平成20年に承認され、日本でも平成21年3月に承認されたばかりの新しいデバイスで、その有効性と安全性が大きく期待されています。今回の実習で感じたのは、日米のPTCAに関しては特に大きな差異はなく、日本はデバイスの承認こそ米国に遅れるものの、その治療法や技術力は高く、米国と比較してもなんら遜色のないように思いました。
またLMT(LCA主幹部)に対するアプローチも見学する機会がありました。治療法としては、教科書的にはCABGが第一選択(PCIは禁忌)と勉強しましたが、DESの普及により、最近ではPCIが選択肢の一つと考慮されることも多いようです。ですがまだまだ課題も多く、今後のエビデンスと選択基準の確立が求められます。
PTCAでDES(Drug Eluting Stent) を用いた症例の中には、zotalorimsをコーティングしているDES(商品名:ENDEAVOR)の使用が多く見られました。このDESは米国で平成20年に承認され、日本でも平成21年3月に承認されたばかりの新しいデバイスで、その有効性と安全性が大きく期待されています。今回の実習で感じたのは、日米のPTCAに関しては特に大きな差異はなく、日本はデバイスの承認こそ米国に遅れるものの、その治療法や技術力は高く、米国と比較してもなんら遜色のないように思いました。
またLMT(LCA主幹部)に対するアプローチも見学する機会がありました。治療法としては、教科書的にはCABGが第一選択(PCIは禁忌)と勉強しましたが、DESの普及により、最近ではPCIが選択肢の一つと考慮されることも多いようです。ですがまだまだ課題も多く、今後のエビデンスと選択基準の確立が求められます。
3.外来診療
オフィスでは外来診療の見学が中心でした。日本で開業されている多くの医師と異なり、数名の医師が共同で開業し、各医師が曜日ごとにオフィスでの外来を担当する形態をとっていました。外来診療では、私たちは順に一人ずつ先生と共に診察室に入って診察を見学させていただき、それ以外の時間は個室での待機となりました。
また、オフィスでのカルテ記入もディクテーションを利用されていましたが、病院のそれとは異なり、純粋にオフィスでの診療記録やテストの結果だけを、オフィスで雇っている秘書さんがタイピングしているそうです。
また、オフィスでのカルテ記入もディクテーションを利用されていましたが、病院のそれとは異なり、純粋にオフィスでの診療記録やテストの結果だけを、オフィスで雇っている秘書さんがタイピングしているそうです。
考察
日米の医療制度の違いの一つに、PA(Physician Assistant)やNP(Nurse Practitioner)の存在が挙げられます。PAとは、医師の監視下で医療行為を行うことが可能な職業で、日本では医師が行なっている医療行為の大部分をカバーできます。また、NPは上級看護士のようなもので、患者の臨床状態を判断し処置実施をオーダーすることが可能です。メリットとしては、医師の日常業務からの脱却、医師よりも短い育成期間、人件費の削減などが挙げられ、デメリットとしては、経験不足による合併症リスクや、医師に比べ責任感が低くなりやすく医療の質の低下が起こりうること、などが挙げられます。最近では日本でも関心が高まってきていますが、法改正などの問題も多く、まだまだ十分に検討を重ねる必要があるようです。
医療保険制度の違いも確認できました。日本では国民皆保険が適応されており、日本国民であれば保険適応内の治療は受けることが可能です。ですが、米国には国民皆保険は存在しません。現在は国民皆保険の実現に向けての動きがあるようですが、まだまだ実現には時間がかかるようです。米国の代表的な公的医療保険制度には、高齢者、身体障害者、慢性腎不全患者が対象のMedicare、低所得者が対象の Medicaidがあり、非対象者の多くは民間保険会社の医療保険に加入します。民間保険には、FFS(Fee for Service)やManaged Careなどがあります。FFSとは従来から存在する医療保険で、医師と患者が治療方針を決定し、そのコストは保険者が負担する、というタイプの医療保険で、一方Managed Careとは、保険者が医療方針を管理できるタイプの医療保険です。また、医療保険に加入しない人が多いという現実もあり、患者層の偏りが伺えます。米国の医療保険の種類は多岐に渡り、さらに医療保険加入の有無やその種類によって、掛かることのできる病院や治療法も決まってきます。そのため米国では、問診による医療保険確認は大変に重要な項目となるようです。米国における医療と経済との結びつきの強さを実感いたしました。
コミュニケーションの重要性も実感できました。複数の医師が共同で一人の患者を診るため、医師同士や他のスタッフとの連携が大変に重要になります。コミュニケーションを充実させる事で、情報交換をよりスムーズに、より正確に行なうことができ、医療の質の向上に大きく貢献しているように思いました。また、カンファレンスに参加させていただく機会もありました。カンファレンスでは、立場に関係なく活発な意見交換が行なわれ、積極的な自己アピールの場となっていました。敬語が存在しないことも大きいとは思いますが、沈黙こそが美徳と考える日本とは違う、米国ならではの文化を実感する事ができました。
医療保険制度の違いも確認できました。日本では国民皆保険が適応されており、日本国民であれば保険適応内の治療は受けることが可能です。ですが、米国には国民皆保険は存在しません。現在は国民皆保険の実現に向けての動きがあるようですが、まだまだ実現には時間がかかるようです。米国の代表的な公的医療保険制度には、高齢者、身体障害者、慢性腎不全患者が対象のMedicare、低所得者が対象の Medicaidがあり、非対象者の多くは民間保険会社の医療保険に加入します。民間保険には、FFS(Fee for Service)やManaged Careなどがあります。FFSとは従来から存在する医療保険で、医師と患者が治療方針を決定し、そのコストは保険者が負担する、というタイプの医療保険で、一方Managed Careとは、保険者が医療方針を管理できるタイプの医療保険です。また、医療保険に加入しない人が多いという現実もあり、患者層の偏りが伺えます。米国の医療保険の種類は多岐に渡り、さらに医療保険加入の有無やその種類によって、掛かることのできる病院や治療法も決まってきます。そのため米国では、問診による医療保険確認は大変に重要な項目となるようです。米国における医療と経済との結びつきの強さを実感いたしました。
コミュニケーションの重要性も実感できました。複数の医師が共同で一人の患者を診るため、医師同士や他のスタッフとの連携が大変に重要になります。コミュニケーションを充実させる事で、情報交換をよりスムーズに、より正確に行なうことができ、医療の質の向上に大きく貢献しているように思いました。また、カンファレンスに参加させていただく機会もありました。カンファレンスでは、立場に関係なく活発な意見交換が行なわれ、積極的な自己アピールの場となっていました。敬語が存在しないことも大きいとは思いますが、沈黙こそが美徳と考える日本とは違う、米国ならではの文化を実感する事ができました。
謝辞
デトロイトに滞在中お世話になった山崎先生をはじめ、ご家族の方々、スタッフの方々、さらには今回実習の準備として出発前に指導していただいた京大病院スタッフの方々、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。今回の病院実習を終えて、日米の医療制度の違いや医療環境の違いなど多くの事を学び、非常に有意義な実習となりました。実際に米国の病院の空気を肌で感じ、日本にいては気づかないことも多く、大変貴重な経験をさせていただきました。このような貴重な機会を与えていただき、大変に感謝しております。ありがとうございます。




























