45歳女性T.Yさん
1.ご職業は何ですか?
2.心筋梗塞の発症日、既往歴はいつですか?
3.喫煙歴は?
4.心筋梗塞の発作はいつ、何をしているときにおこりましたか?
担当医からのコメント
お風呂は日常生活のなかで、もっとも心臓に負担がかかりやすい活動のひとつです。心臓の病気の患者さんでは入浴中や入浴後に発作を起こされることがしばしば認められます。
5.その発作は具体的にはどのようなものでしたか?
担当医からのコメント
狭心症や心筋梗塞の発作は、数分程度(最低でも1分程度)は続くことが特徴です。
6.急性心筋梗塞を発症される前になにか予兆のようなものはありましたか?
担当医からのコメント
TYさんの場合は、大動脈炎症候群という難病の結果、心筋梗塞を起こされました。大動脈炎症候群では初期は微熱など風邪のような非特異的な症状のみがでます。大動脈炎症候群は頻度の少ない病気であり、詳しい検査をしないと診断をつけるのが難しいところがあります。
7.病院を受診し、どのような検査をうけましたか?検査について医師からどのような説明をうけましたか?
担当医からのコメント
当時のTYさんは、医療機関に不信感を抱かれてしまったようです。大動脈炎に限らず、疾患によっては一般的な検査では診断がつけられない病気はたくさんあります。症状がどのようなものであれ、原因がなになのか、十分に検査したり、病歴を確認する必要があります。難しい病気を正しく診断し、治療に結び付けてゆくには、患者さんと医療者の十分なコミュニケーションが必要です。当時のTYさんが受けられた検査や診察の内容について、詳しいことはわかりませんが、おそらく十分に意思疎通ができていなかったのではないでしょうか?
8.病院ではどのような治療をうけましたか?治療について医師からどのような説明をうけましたか?
9.病院に入院中に、あるいは退院後に一番大変だったことはなんですか?それをどうやって解決してゆかれましたか?
担当医からのコメント
手術直後の痛みの記載は、本当につらそうですね。また、手術の創部は、特に女性では相当気になるものです。TYさんは、いつも素敵なお洋服やインナーを身に着けておられるだけでなく、いつも明るく振る舞っておられ、周囲の人に心配りされます。傷あとは残りましたが、大きな手術を受けられたことで、TYさんの命が救われたことは、素晴らしいことと思います。心臓バイパス手術が登場したのはほんの50年まえのことです。TYさんの命が救われたことは近代医学の進歩の結晶ですが、今後さらに医学が進歩して、もっと侵襲の少ない、痛みもなければ傷跡ものこらない治療法が発見されることが期待されます。
10.病院に入院して、あるいは退院後に、なにかよかったと思えることがありましたか?
11.心筋梗塞の病気を経験されて、生き方や人生観について変化がありましたか?
担当医からのコメント
いのちの大切さについて、健康なときや、 周囲に病気をもつ人がいないときはあんまり意識しないものです。TYさんは、今回の病気をきっかけに、いのちの大切さにきづき、毎日を大切に生きておられる様子です。
12.実際に心筋梗塞を発症されるまでに、ご自身が心筋梗塞を起こすかもしれないと思っていましたか?
13.食事や運動について、発症前とあとで変化がありましたか?現在食事や運動についてなにか工夫されていますか?
14.社会に対して、患者様に対して、あるいは医師に対してなにかメッセージがありましたらお答え下さい。また、入院中あるいは現在うけられている医療について不足にお感じになる点や、なにか「こうしたほうが良い」とお考えになる点がありましたらお教えください。
担当医からのコメント
マスコミでは医療訴訟や医療にまつわるさまざまなトラブルが毎日のように報道されています。一方で、コンビニ受診や、医師の過労・勤務医の減少が問題とされています。それでもわれわれ医療者が明日も診療を続けていけるのは、このように患者さんが喜んでくれることです。明日もがんばろう。