UCSD

UCSD研修レポート 京都大学医学部医学科4回生 山本 昌平

    今回の研修では循環器内科の尾野先生の紹介で、アメリカのUCSDで活躍されている平井先生のもとで2週間研修させていただきました。この研修前にデトロイトでの研修があり、臨床だけでなく基礎研究も実際に見たいという希望から尾野先生に紹介させていただき、研修に臨むことになりました。今回の研修では同級生の2人とともに3人で研修しました。

<研修>
    研修はUCSDのSylvia研で主に平井先生の研究を手伝う形で行いました。この研究室では心臓の発生について研究していました。実習内容は主にマウスのジェノタイプ、免疫染色、切片作成、マウスの心臓を取り出すことなどを行いました。他にもセミナーに参加したり、顕微鏡の画像取得を見学するなどしました。平井先生は未熟な自分たちにも優しく、親切に教えてくださいました。留学前に少しだけ基礎研究の研修を受けていたものの初めての手技ばかりで最初は戸惑うこともありましたが、平井先生のおかげでしっかりこなすことができました。
    手技のほかに、Cre/LoxPシステムについて解説していただき、その中でCreERT2についてそれが使われるにいたった背景を勉強して、ある遺伝子に関して調べるときにはその歴史についても勉強する重要性を実感しました。
また、ジェノタイプをしたマウスがどのような遺伝子を持ち、そのマウスを使った実験に関しても解説していただきました。臨床志望にとって自分にとって、基礎研究の興味がなかなか持てずにいましたが、先生に研究の目的を聞くことで、実習するモチベーションになりました。
    アメリカの研究室の印象は効率化が図られているということです。色々な器機は共同で使用していて、共用スペースが多かったです。確かに研究室ごとに機材を購入するより効率的だと思います。研究者はMDの方は少ないようで様々な学位をもった人がいました。また、UCSDは京都大学と比べても大きな研究機関で、一か所に多くの研究が集中していることが印象的でした。
    2週間という短い間で、できることは限られていましたが、アメリカの研究室と研究スタイルを見ることができました。

<生活について>
    平日のタイムテーブルは9:00に研究室へ行き、12:00頃から14:00頃まで昼食と休憩、17:00頃には終了してホテルに帰っていたと思います。宿泊先のホテルが大学の目の前だったので移動は徒歩でした。
宿泊先については平井先生に紹介していただいたシェラトン・ラ・ホーヤホテルに宿泊しました。研究室までは徒歩で10分弱で、スーパーも近くに2件ありますし、バス停も近くにあって市外にも出やすいのでここ以外には候補はなかなかないと思います。
    食事についてですが、最も苦労しました。ホテルであるため調理ができず、外食や作り置きのものを購入して食べました。外食は高いですし、調理しないとあまり口に合うものがなく、食事は慣れるまで大変でした。
治安もホテル周辺はよく、夜も出歩くことができました。気候は日本より乾燥していますが、とても過ごしやすい気候です。
    休日には先生にドライブに連れて行っていただいたり、研修後に先生のご家族とバーベキューをさせていただきました。サンディエゴは海も近く、観光地も多いので休日はいろいろなところに出かけました。
苦労もありましたが、サンディエゴは過ごしやすい街ですし、平井先生も優しく接してくださったので、楽しく過ごすことができました。また、アメリカで生活をしたことで、将来留学するうえでの自信になったと思います。

<実習を終えて>
    今回の実習ではアメリカの基礎研究を実際に見ることができました。違いはあるものの、設備や環境で大きく違うところはないように感じました。しかし、大きな違いは様々なバックグラウンドの人々がいるということだと思います。違う考え方の人々と接することは自分を見直したり、将来どうするかを考える上で大きなメリットになると思います。そのうえで英語を勉強することは非常に重要だと思います。自分は勉強不足であまり話すことができませんでしたが、それを教訓に帰国後は英語の勉強に力を入れるようになりました。
    実験手技に関しては、初心者の自分も平井先生に丁寧に指導していただいたおかげでこなすことができました。

<最後に>
    今回の研修では、アメリカで過ごして先生やいろいろな人にお話を聞けたことや、アメリカの基礎研究の現場を見ることができたことは自分の将来を考える上で大変参考になりました。このような機会をいただき、紹介してくださった尾野先生、そして、何よりご指導してくださった平井先生に重ねて御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


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