UCSD

UCSDでの研修レポート 京都大学医学部医学科4回生 我妻 信和

私は、島津君、宮川さんとともに、8月19日から28日までサンディエゴに滞在し、8月22日から8月26日まで、尾野亘先生のご紹介の元、University of California San Diego(UCSD)のSylvia Evans研におられる平井希俊先生の研究を見学して参りました。

Sylvia Evans研では、心臓が発生する際に、発現する転写因子についての研究が盛んで、事前にSylvia Evans研から出ている論文を私たち三人で集まって読んではいたのですが、理解するのはなかなか難しくあまり予習をしないままの、見学となりました。
いざ行ってみると、私は勉強不足でありましたのに、平井先生は暖かく受け入れてくださいました。
私が平井先生の説明を受け、おぼろげに理解できたのは、Cre-loxPシステムを応用し、GFPにより心臓に発現する細胞を光らせることで、顕微鏡を用いて3次元イメージングしている、といったことくらいでした。実際に先生がされていたのは、朝8時頃からのマウスのプラグチェック、自分の欲しいノックアウトマウスができているかどうかのジェノタイピングや、3Dイメージング用の凍結切片作り、ある細胞の細胞周期とタンパク質の関係を調べたりなどと、本当にさまざまな実験をされていて、大変忙しくも、充実した研究室での生活を送っておられました。
UCSDで平井先生にさせていただいたことは、主には、PCRの操作、胎生9.5日のマウスの凍結切片作り、先生が実験をしていて疑問に思ったことをネットで調べておくこと、などでした。PCRの操作に関しては、6月頃から私がマイコースに所属している尾野先生の研究室でピペット操作やアガロースゲル作成はやっていたので、平井先生の代わりにさせてもらったPCRの結果は、平井先生は採用して下さいました。マウスの凍結切片作りについては、スクロースなどを-30度程度で固めたものを専用の機械で薄く切り、スライドガラスにきれいにのせていくという操作でしたが、だんだんとうまくできるようになってきて、楽しかったです。先生が私の作った切片を見て、ここが心臓の~の部分だよ、などと、丁寧に教えてくださいました。三番目のネットで調べておくことに関しては、私には難しいながらも勉強になったと思います。そのほか、胎生5日や、15日程度のマウスを子宮から露出させるといった、細かく、ほかではなかなかできないようなこともさせて下さいました。
尾野先生の、アメリカに行くのなら必ずしも病院ではなく、研究室の見学はどうか、というご提案で、今回UCSDに行かせて頂いたのですが、平井先生をサンディエゴで実際にお会いし、先生が向こうでどのように過ごされているのかを、拝見することができた今回の経験は、1週間程度と短いながらも、大変貴重な経験でした。自分の将来について考えるにあたり、大変参考になりました。
今回UCSD行きをご紹介、ご提案してくださった尾野先生には大変感謝致しますし、またアメリカに行く10人が、週変わりで論文の抄読会をすることをご提案して下さり、お忙しい中毎週その様子を見に来て下さったことには、本当に感謝申し上げます。
また、研修期間前はホテルや移動手段のアドバイスを下さったり、私たちの滞在中は、実験で大変忙しいながらも、食事に連れて行って下さり、先生のご自宅に招いてくださってBBQをして下さったり、また、研修期間の翌日は先生のお車でサンディエゴのきれいなビーチを案内してくださったりと私たちのお世話をして下さった平井先生には、本当に感謝致します。

(2011年8月)

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UCSDでの研修について 京都大学医学部医学科4回生 宮川 紗和

今回、私はUCSDの平井稀俊先生のもとにて研修をさせていただきました。
平井先生が所属しておられたのはSylvia Evans Lab.で、ラボ全体でマウスを用いて心臓の発生を研究されていました。Sylvia研には世界中からポスドクの方がいらっしゃっており、オランダ、ポルトガル、中国、アメリカ出身の方がおられました。

研究室には毎日朝8時半から夕方6時半、7時頃までいさせていただき、平井先生のお世話になりました。毎朝着くとすぐ、平井先生についてマウスのプラグチェックに行っていました。妊娠していてほしいマウスにプラグができていなかったり、数日前にプラグがあったマウスが実は妊娠していなかったり、やはり生物を使う実験は思い通りにいかないことも多いのだということを知りました。
Sylvia研ではCre-loxP Systemを用いて、心臓特異的にCreを発現させて特定の遺伝子の働きを調べる実験をされているらしく、そのメカニズムの説明などを初日や二日目にしてくださいました。
Western blotに用いるための細胞の培養も少しさせていただきました。また、先生がembryoの心臓から抽出されたDNAをPCRで増幅させる作業をさせていただきました。先生のやり方は授業で習ったものよりも簡略化された部分もあり、限られた時間で実験を手際よく進めるためにいろいろなことを考えておられるようでした。
そのほかにも、マウスのembryo(7.5日目、9.5日目、16日目)の観察もさせていただきました。およそ18日で誕生するマウスの初期発生は日を追うごとにどんどん進んでいくので観察していておもしろかったです。しかしそれと同時に、数時間ずれるだけで狙っていた遺伝子の発現が終わっていたりと難しい部分も多いのだと先生はおっしゃっていました。
また、9.5日目のマウスの胚を題材に、切片の作成方法を教えていただきました。実際に胚をパラフィンのようなもので固め、機械を用いてスライスし、心臓を見つけたら10μmの厚さでプレパラートに貼りつけていく作業は楽しかったです。そのあとエオジンなどで染色し、空気を入れないようにカバーガラスをかぶせて完成させました。
先生が切開してくださった妊娠マウスから16日目のembryoを取り出し、さらにそこから心臓を傷つけずに取り出す作業もさせていただきました。 embryoを取り出す際は比較的丈夫な胎盤側から圧を解放していくらしいのですが、顕微鏡越しに高価なピンセットを用いてする作業はいろいろな意味で緊張しました。 embryoの胸腺が意外と大きかったことと、取り出した後も心臓が動いていたことが印象的でした。
空き時間には先生が他の研究施設の見学にも連れていってくださいました。UCSDには最新の実験設備がまとめて設置されている建物があり、1時間30ドルくらいでどのラボの人も使用できるようになっているそうです。日本ではあまりそういうシステムはきいたことがありませんでしたので、アメリカはやはり大分制度が異なるのだなぁと感じました。

平井先生はWestern blotをされたりとお忙しいなか私達の面倒をフルで見てくださり、さらに晩御飯やバーベキュー、週末にはドライブに連れていってくださいました。ラボでの経験がほとんどない私にも懇切丁寧にご指導くださり、とても有難かったです。
最後になりましたが、このような機会を与えてくださった京大循環器内科の尾野先生に心から感謝の気持ちをお伝えしたいです。ありがとうございました。

(2011年8月)


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