Florida

フロリダ大学の研究室見学について 京都大学医学部医学科4回生 稲山 嘉英

1.はじめに

8/13~8/20の一週間、フロリダ大学の笠原英子先生の心臓の発生の研究室を見学させていただきました。アメリカでの医学研究がどのようにされているのか、ということに興味があり、紹介していただきました。フロリダ大学はGainesville という街にあり、田舎にあるのどかな大学の都市といった感じで過ごしやすいところでした。

2.研究室

1週間の滞在だったので、あまり多くのことはできませんでしたが、マウスの心臓のスライスづくり、PCR、心肥大の解析などの実験を少しだけやらせていただき、興味深かったです。マスターコースのジャマイカ人のアメリカ人の学生がいましたが、丁寧に教えてくれました。(コミュニケーションは英語となります)また、同じ建物の一つ上の階に寺田先生というPathologyの先生の研究室があり、そちらの見学もさせていただく機会がありました。

3.病院見学

笠原先生のご紹介で、フロリダ大学の関連病院のShands という病院でNeurology の診察を見学することができました。半日だけでしたが、非常に良い経験となりました。日本の外来では、普通患者が医師のいる部屋に入っていくと思いますが、アメリカは逆で患者の待機する部屋を順に医師が診察で回っていくというシステムになっており、新鮮でした。患者としてはこの方がリラックスして待てるかもしれません。土地が十分にあるアメリカだからできるようにも思いました。あと、アメリカの医学生(臨床実習一年目)と一緒に回ったのですが、非常に積極的に発言し、意見を述べたり患者と会話したりしているのが印象的でした。

4.滞在

Rush Lake Motel というコテージのようなホテルに同級生とともに二人で宿泊していました。食事はついていませんでしたが、一泊20ドル(一部屋で40ドル)と、破格の安さなのは助かりました。少しベッドが柔らかすぎましたが、部屋は広く快適で、価格からも満足です。
朝食はWallmart という大型のスーパーマーケットで調達できました。食料を安く調達できるので、助かりました。
相当暑いだろうと思っていましたが、湿度が日本ほど高くないのでそれほど過ごしにくくはありません。滞在中は幸運にもハリケーンに遭遇せず、天気に恵まれていました。帰国直後に大型のハリケーンが東海岸に接近、上陸したそうで、運が良かったと思います。
また、フロリダ大学にはゴルフ場があり、笠原先生にゴルフに連れて行っていただきました。日本ではやる機会がなく、非常に楽しかったです。

5.最後に

短い期間にも関わらず、快く受け入れてくださった手厚くもてなしてくださった笠原先生、ラボのソニー、コリーン、寺田先生、中馬先生、Shands の先生、スタッフの方々、留学の手配をしてくださった尾野先生をはじめとする循環器内科の先生方にこの場をお借りしてお礼を述べたいと思います。ありがとうございました。日本とアメリカの違いを考える非常に良い機会となりました。

(2011年8月)

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夏期短期研修レポート 京都大学医学部医学科4回生 鹿子島 大貴

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【研修期間】

University of Florida Hideko Kasahara, MD, PhD Associate Professor
Physiology and Functional Genomics
University of Florida College of Medicine
1600 SW Archer Rd. M540
Gainesville, FL 32610-0274

【研修期間】2010年8月15日~8月20日

 

1.活動内容

一週間という短い期間なので、基本的には実際に行われている実験の見学やその一端に触れるということが主な活動でした。笠原先生のラボでは笠原先生と院生が2人在籍しておりその内一人はラボに来て数日ということで、もう一人は論文を作成中とのことでした。この短い期間の中で、笠原先生や他の院生の方にやり方などを見せて頂いたり教えて頂いたものは列挙すると以下のようになります。はじめにまとめておくと、笠原先生が主に研究対象としているのは、心臓の発生に関わるNkx2.5という遺伝子なので、この遺伝子が欠損していたりした場合の心臓への影響を見るのが実験の主たる目的でした。
・マウスの心臓の切片作成
パラフィンで固めた胎生13~14日のマウスの心臓を専用の道具を用いて、ナノメートル単位で薄く切り複数の切片をつくる。これを並べて見ることで、遺伝子のノックアウトをしたマウスでは中隔がうまく形成されていないことがわかる。
・ソフトを用いたheart volume の計測
画像ビューアーに類したソフトを用い心臓のボリュームを計算する。
・PCR
通常、大学の実験でも行うようなPCR
・マウスECG
マウスの心臓の動きに異常がないかを調べるために、マウス専用のECGを用いて心電図を作成。しかしマウスが小さいためその分、機械が多くのノイズを拾ってしまい、あまりいい心電図は得られなかった。
・マウスでのRV Catheter
上記のマウスECGと合わせて、主にマウスの右心房の動きや右心室の動きを調べるために、マウス専用のカテーテルを先端が右心室壁にあたるように入れていく。このカテーテルには先端から順に8個のセンサーがついており、右心室と右心房の動きが同時にそれぞれ測れるようになっている。しかし、人で言うところのマイクロサージャーリーの様な技術を要求され、当然のことながら一回も成功しませんでした。具体的に述べると静脈からカテーテルを通していくのですが、静脈が細いため顕微鏡下で手技を行わなければならず、こういったことが初めての僕には無理でした。

その他
せっかくアメリカまで来たので、臨床の現場を見てみたいというふうに希望したところ笠原先生の特別な計らいで、フロリダ大学と提携している病院の神経内科の現場を見学することができました。日本の方で、まだ臨床研修に行ってないので簡単に比較できないのですが、日本とフロリダ大学の病院で診療の仕方に大きな違いがあるかというとそんなことはない気がします。確かに、アメリカの方が一人の患者さんへの問診が詳しく行われているようにも感じられますが、神経内科という科であったせいかもしれないので、詳しくはわからないです。特徴的だと思ったこととしては、診療する部屋が完全に個室になっていたということです。またどういうわけかいわゆる日本の待合みたいに部屋の前で待つ訳ではなく、すでに部屋に患者さんがいてそこに担当の医者が向かうというシステムになっていました。

2.渡米までの経緯

今回、僕自身はマイコースの方でMayoClinicにつづけて行く事になっていたので渡米の方法などについては少し特徴的でした。詳しいことはマイコースの報告書の方に譲ります。ここでは簡単に渡米に関して注意しておいた方がいいと思うことをかいていきたいと思います。まず、循環器内科の一週間の研修に行きたい人はvisaをとる必要は必ずしもないと思います。もちろんあった方がベターなのでとっておくに越したことはないのですが、visaを取ろうとすると確実に発行されるという保証がないのでvisaを取るまでは航空券を手配することにリスクが発生してしまいます。このあたりについては研修先の先生等と相談してみるといいでしょう。
Visa以外で必要なことは、アメリカの大学などで何か研究などに携わる場合に必要になるHIPPAをとる様に言われるかもしれません。しかし、これもインターネットを使って比較的簡単に取得出来るので、あまり案ずる必要性はないと思います。
・航空券に関して
研修の日程が決まり、visaが必要ないという事がわかり次第、航空券を取得するのがいいと思います。私自身は、mayoとの関係でvisaがどうなるかはわからなかったのですが、航空券代のこともあるので日程が確定してから取得しました。アメリカの航空事情で気を付けなければいけないことは、フライトディレイ、つまり飛行機の出発が遅れたり、フライト自体がキャンセルされることが頻繁に起こるということです。なにも天候が悪い時だけとは限りません。実際に天候的にはなんの問題もなかったのに、乗るまでに2時間、飛行機の中で3時間待たされたあげく、キャンセルされるという冗談のようなことに遭遇しました。なので、航空関係で何がおきても慌てないのが大切だと思います。

3.準備等について

今回の循環器内科で行われた夏期短期研修は例年では2~3人でデトロイトの病院に臨床見学に行くのですが、今年は募集に対して、応募した人数が20人弱とかなり多く、当然ながらデトロイトの方には全員行くということはできませんでした。対応として循環器内科の方で特別に新たな研修先を増やしていただき、そのうちのひとつがフロリダ大学の笠原先生の所でした。
4つの内、臨床系はデトロイトだけで他の3つは主に心臓の発生に関する研究を行なっている基礎系のところです。
とりあえず、なんの知識もないままに研修に向かうのは失礼だろうということで、循環器内科の尾野先生の計らいでせめて研修先の論文をひとつぐらいは読んでおきましょうということで、週に一回、論文を一人がひとつ循環器に沿ったものを選び、それをパワーポイントで発表する形式で、輪読会の様なことを行っていました。

4.滞在先について

一週間という短い期間ということもあり笠原先生の方からはフロリダ大学の近くのthe Reitz Union hotelとrush lake motel をご紹介いただきまして、はじめはReitz Union hotelを希望していたのですが、結局はrush lake motelに泊まることになりました。rush lake motelは立地的にはフロリダ大学から歩いて五分ほどでとても近いところにあったので便利でした。テレビなどの基本的な設備がついている他に、レンジや、結局は使いませんでしたが食器類もあったので一週間滞在するにはとても便利でした。部屋の大きさも十分でした。もう一つのthe Reitz Union hotelはもう少し高めの値段で一泊40~50$で設備などが良い感じでしたが結論からいうと今回はrush lake motelで満足できました。

5.日常生活について

・食事
一緒に行動していた稲山くんが僕より一日早くフロリダ入りしていて、シリアルや、一週間分の水などいろいろ買っておいてくれたので、朝食はもっぱらシリアルでした。あとでもう一度買い物に行く機会があり、いろいろ買いたせたので、後半はシリアルに加えて、バナナやヨーグルトを食べていました。
昼食ですが、大学の中にカフェテリアや、ファストフード店が多数入っているのでそういうところを利用していました。しかし、あまり美味しい店はなくそのあたりは稲山君ともども少々苦労しました。ただSUBWAYやWENDY’Sといった有名店もあり困った時には利用していました。
夕食ですが、笠原先生やそこに所属している院生の人たちにお世話になり続け、結局一度も自分たちでどこかに食事に行くということはありませんでした。

6.感想

一週間という短い期間のなかで、笠原先生をはじめ院生の方々にも本当に良くしていただき、フロリダでの経験はかけがえのないものになりました。一週間の内に、数々の実験の様子を伺い知ることが出来たり、臨床の現場を見学することができたのも良い経験です。実は、笠原先生の研究室以外にもフロリダ大学で研究をなされている寺田先生という方の所にもお邪魔させていただいたのですが、これもいい経験になりました。寺田先生の研究室では主にES細胞など幹細胞に関する研究が行われていて見学をさせていただきました。一週間でしたが、笠原先生や寺田先生といったアメリカで長年研究を続けられている方の様子は十分に伝わってきました。そして、この一週間で得た知識や見解などはおそらく将来においての一助となるのではないかと思っています。
最後に、このような貴重な機会を与えてくださった循環器内科の木村教授、尾野先生、そして笠原先生に、この場をお借りしましてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

(2011年8月)

 


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